お得意様 各位
《 2021年2月に勃発した軍事クーデター以降、ミャンマー情勢をお気にかけられておられる方々より現況のお問合せを頂いております。ヤンゴン在住の契約社員(本社に6年間勤務・元社員)のレポートを編集致しまして、2ヵ月毎に『ミャンマー(ヤンゴン)情報』をお届けしています。3月分をお届け申し上げます。ご高覧賜りますれば、幸甚に存じます。》
『ミヤンマー(ヤンゴン)情報・1月』
【ミャンマーの現況】
クーデターから3年が経過しましたが、国軍は非常事態宣言を解除せず、民政移管に向けた総選挙も実施していません。ウクライナ紛争やイスラエル紛争の陰に隠れ、世界の注目は薄れていますが、ミャンマーでは同じ国民が殺し合っている非道な戦いが繰り広げられています。
国軍と民主派勢力と少数民族の合併軍は、タイやバングラディシュの国境付近で激しい戦いを繰り広げています。国内避難民が244万人出ていると報告されています。
ミャンマー政府(国軍)は2月10日に突如、2010年に制定された『国民兵役法』の徴兵制を実施すると発表しました。民主派勢力と武装少数民族の合併軍との武力衝突で劣勢に陥っている現状を立て直す為に徴兵制度を制定したと言われています。18歳以上の男女が対象です。兵役義務は最低2年です。4月から毎月5,000人を徴兵する計画と言われています。
3月5日からラオスで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)国防相会議にミャンマー政府(国軍)の代表も出席する予定です。ASEAN諸国の働きかけで、国軍と民主派勢力とに和平の道が開けるような仲介提案がなされますよう願っています。
【ミャンマーの現況】
≪韓国への労働者派遣≫
在韓国ミャンマー大使館は、韓国の外国人雇用管理システム(EPS)を利用して、今年、韓国に派遣されるミャンマー人労働者は1万1千人になると発表しました。日本の招請制度は?
≪奨学金給付≫
The U.S.Agency for International Developmentは、2月29日にミャンマーの若者を対象に、
就学を支援する新たな奨学金制度を開始したと発表しました。5年間で1,000人に総額4,500万米ドル
(≒65億円)を支援する計画です。
2月に徴兵制度が発表されて以降ミャンマーの若人の海外脱出が著しく増えました。米国以外にも
これら若人に奨学金を特別に給付して、若人を支援する国が増えています。
≪戒厳令≫
先日、シャン州の5市(タイとの国境際)に新たに戒厳令を発令しました。バングラディシュの国境
付近のチン州・ヤカイン州を合わせると61市が戒厳令下になりました。*紛争地域といわれています。
≪幼児誘拐事件≫
2月中旬頃から、幼児の行方不明事件が相次いで発生しています。2歳~5歳の幼児が自宅に居ながら
行方不明になり、2~3日後に自宅近くで遺体で発見される事件です。相次いで2件ありました。
行方不明の幼児が複数名有り、同年齢の幼児を持つ親は、寺にお参りしたり預言者の指示を仰いでいます。
≪為 替≫
前回のレポートでは12月20日現在、2,300チャット/us$(0.063円/チャット)とお伝え致しましたが、
現在は3,600チャット/us$(0.0417円/チャット)になっています。12月からチャットに価値が40%も落ちた
事になります。生活用品の多くを輸入にたよっていますので市民の生活は日々、苦しくなっています。
≪日用雑貨≫
紛争の為、閉鎖されていた陸路の貿易窓口が再開されましたので、タイ製や中国製の日用雑貨は買える
ようになりましたが、ドル高で値段が日々上がる状態です。スーパーでは、歯磨き粉やコーヒーが欠品に
なっています。お米は年末より少し値上がりして1袋(51kg)168,000チャット(約137.4円/kg)です。
(日本では500円/kg前後)食用油(パーム油)は、1ビス(1.6kg)17,000チャット(710円)です。クーデター前は3,000チャットでし たから、≒5.7倍になっています。
≪ガソリン価格≫
前回のレポートでは12月20日現在、レギュラーガソリンが2,545チャット/リッターとお伝え致しましたが、
現在は少し値上がりして、2,835チャット/リッター(≒106円/リッター)になっていますが、給油は出来ます。
≪停 電≫
今、ミャンマーは初夏です。停電が頻繁に有ります。ヤンゴン市内は朝5時から9時迄と午前9時
から13時、13時から17時、17時から21時と4区域に分けられ、1日に2回の停電が計画的に実施
される予定でしたが、現在は一日に10時間以上の停電が、不定期にあります。
≪詐欺グループ≫
クーデター後日系企業の撤退が止まりません。ヤンゴン日本人学校は児童の増加に備え、新校舎を
建築しましたが、クーデター後は児童が一気に減り、新校舎が寂しい状況になっています。
反面、中国人が急激に増えました。外国企業が撤退した状態の現在、ミャンマー経済を乗っ取る気配
です。法治国家で無くなりつつあるミャンマーはオンライン詐欺を行う中国グループが躍動し始めて
います。以前は中国国境付近で活動していたグループが最近はヤンゴン市内に拠点を移し、第三国人
のみでなく、ミャンマー人をターゲットにした詐欺が目立っています。中国人に対する緩い取締りが
増長を招いているように思えます。
『国内の情勢』
昨年の春から続いているエルニーニョ現象が4月に終息すると報じられています。その為今年の夏は
暑くて雨が多いと予測されます。
3月4日に日経平均株価が史上初40,000円を超えました。しかし、住宅着工件数は減少し、
マンションの販売も芳しく有りません。市中の景気は良いとは思えませんが,何故、株は上がるので
しょう? 堅調なアメリカ経済や企業業績を背景にダウ平均株価が上昇している事や円安で日本株に
割安感が出ている事や不安定な中国経済から逃避のチャイナマネー等、外国人投資家の参入により買い
が増えている結果と言われています。
それに加え、今年、1月から個人投資家向けに優遇税制、NISAが拡充された事に期待した個人投資家
が増えた事等が考えられます。 弊社のような輸入企業にとっては早く円高になってほしいのですが!
FRBが何時利下げををするのか? 何時、日銀がマイナス金利を解除して利上げに踏みきるのか?
円安基調になる迄、ヤンゴン工場への新規発注は可能な限り先送りする予定です。
『業務報告』
【1月・2月に施工した主要案件】
1: 賃貸マンション新築工事
ミャンマーチーク無垢防音フローリング T(10+2)×W76(2J)×L909mm・ウレタンクリア塗装
2:戸建住宅リフォーム工事
ミャンマーチーク無垢フローリング T12×W76×L1,820mm・クリスタルインテリアハード塗装(ガラスコート)
【緊急輸入材ー混載便LCL(Less than Container Load)】で発注
※5月中に納品して欲しいとの要請に対応、4月13日からの正月休暇前に船積出来るように手配しました。
造作材には厚み×幅=24インチ(輸出制限)以上の部材が有りましたが、分割したサイズで準備致しました。
1:寺院改修用造作材 チーク無垢角材(S4S) 0.8㎥
2:戸建住宅新築工事用 内装、造作材・チーク無垢角材(S4S) 1.4㎥
3:戸建住宅新築工事用 チーク無垢フローリング T15×W90×L1,820mm・OPC, 60㎡
【次船発注予定製品】
※多くの工事の着工が遅れていますので、次船の発注は4月15日頃にしたいと考えています。円高基調になると
良いのですが! 入荷は7月下旬を予定しています。4月15日迄にリクエストがございましたらご連絡下さい。
如何なる形状・サイズの部材でもお請け致します。8月初旬にはご希望の塗装に仕上げて納品させて頂きます。
3月のミャンマー(ヤンゴン)情報, 以上です。
佳き日々をお過ごし下さいますよう祈念申し上げます。 敬具