2023年7月のヤンゴン情報

2023.7.21 未分類

お得意様 各位

 

《 2021年2月に勃発した軍事クーデター以降、ミャンマー情勢をお気にかけられている方々より、ミャンマーの現況のお問合せを頂いております。ヤンゴン駐在社員からの

レポートを基に、2ヵ月毎に報告をさせて頂いています。

お時間がございましたら、お読み下さいませ 》

 

    『ミャンマー・ヤンゴン情報‐7月号』

1:初めに 

6月に気象庁は『エルニーニョ現象』が発生したと発表しました。

エルニーニョ現象では赤道付近の東部太平洋の海水温が高くなります。平常時は貿易風に

よって海面の暖かい海水が西に流されます。この貿易風が弱まると温かい海水が西に流さ

れない為、西太平洋地域(フィリピン)の海水温が冷たい状態が続きます。

海水温が低い為、上昇気流が生じなくなり、積乱雲や台風が発達し難くなり太平洋高気圧の張り出しが弱くなります。その結果、梅雨が長引き、夏の気温が低くなる現象が生じるの

ですが、今年は積乱雲の発達が激しく、各地で線状降水帯も発生し、集中豪雨の被害が出ています。エルニーニョ現象では7月から9月の気温は例年より低くなると言われていますが最近は35度以上の猛暑日が続出しています。エルニーニョとは思えない現象です。

この異常は地球温暖化の影響でしょか? 更なる警戒をし、異常な夏を乗り越えたいと思います。

 

2:入荷の遅延

 5月14日にミャンマー西部のラカイン州を襲ったスーパーサイクロンは多くの家屋を

飲み込み、435人の死者を出しました。5月17日にはヤンゴン地区に襲来し、ヤンゴン港の荷役施設が大きなダメージを被りました。ヤンゴン港への配船遅れや荷役作業の停滞等で6月中旬に出港する船舶に2週間程の遅れが生じました。

7月上旬に名古屋に入港させ、ご指示の塗装仕上げをした後、8月上旬に納品させて

頂く予定が遅れる見込みです。関係者様には、深くお詫び申し上げます。

又、塗装期間に盆休みが入る為、更に納品が遅れるのではと危惧しています。

 

3:ヤンゴン情勢

   多くの公務員が国軍政府への抗議の為、リタイヤしましたので、人材不足のより、公共

サービスが日に日に低下しているように思います。特に医療スタッフの不足が顕著です。

警察は軍政府への抵抗活動に加わっている人々を逮捕したり拘束する事に懸命で、

一般犯罪には対処出来ていません。治安が良いと言われていましたヤンゴン市内でも午後8時以降の外出は危険になっています。

 

6月中旬頃迄は計画停電が実施されていましたが、予定外の日時に停電する等ひどい

状況でした。6月後半から雨が降り出しましたので(本格的な雨期に入る)やや改善してヤンゴン市内は、一日4時間程停電になっています。

 

   ガソリン価格は大きな変動は無く,2,100チャット/リッター(109.2円/リッター=0.052円/チャット)

ですが、チャット(現地通貨)が下落している為、実質値上げです。

一般サラリーマンではガソリンが109円/リッターでは自家用車は乗れません。多くが車庫に眠った状態です。

 

 外貨稼ぎの筆頭で有った縫製業が停滞しています。政情不安を懸念して、ラオス・カンボジア・バングラデッシュに工場移転をする企業が多くなっています。

 

4:国内情勢

   国軍と民主派武装組織との紛争は西部のチン州・ラカイン州と東部タイ国境のカヤ州・カレン州の国境近くに限定されており、主要な都市部は平穏ですが、スーチー女史の制御が利かなくなっている民主派武装勢力の動向次第では内戦に発展する可能性をはらんでいます。ASEAN諸国が協力して解決を模索せねばなりませんが、その兆しも窺えません。

 

   隣国のタイでコンドミニアムを購入する人が増え続けており、ミャンマーは昨年のタイのコンドミニアム購入国上位になりました。2021年は30戸でしたが2022年は188戸になり、2023年は250戸以上になると思われます。

日に日に弱くなるチャットと国内情勢の不安定から、国外に投資をしようと考える人が増えているのです。

   此れと反対の現象が都市部で起こっています。コロナ禍が過ぎても治安が不安な

ミャンマー旅行に来る人は少なく、国内観光業の回復の兆しが無い為、小規模のホテルは

我慢できず廃業・売却する件数が毎月増えています。

 

   米国財務省は、ミャンマー国営銀行であるミャンマー外国貿易銀行1(MFTB)と

ミャンマー投資商業銀行(MCIB)は、米国が制裁を科しているロシア企業から、国軍が調達した武器・装備品・兵器製造の原材料等の取引に関与していたとして金融制裁の対象に指定しました。

   この報道でミャンマー国内ではチャット安が進み、金も高騰しました。ミャンマー外国貿易銀行は輸出入の指定銀行ですので、今後、ミャンマーへの輸出入に関して何らかの影響が有るのではと思われます。弊社は既に対策を講じています。

 

5:業務報告

   次船便(第51船)は、7月中旬に売買契約を締結し、9月中旬に製品検査を行い、

9月下旬にヤンゴンを出港させ、10月中旬に名古屋に入港させる予定です。

 

発注製品と数量

 

1:公共施設用外部デッキ材(ピンカド材) T15×W90×L1,820mm・OPC,    800㎡

2:戸建注文住宅用チークフローリング  T15×W90×L909mm・OPC,      300㎡

3:戸建注文住宅用チークフローリング  T15×W90×L1,820mm・UNI,   360㎡

4:戸建注文住宅用造作材(カウンター・階段部材・ルーバー材・壁材)        7㎥     

5:計画発注(リフォーム用スラブ直貼りLL45直貼り材)

T15(10+5)×W76×L909mm・UNI,   200㎡

 

    ※ミャンマー国内は林業省の伐採制限により、原木不足の状況ですが、必要な製品は

必要数量製作出荷しています。何なりとご相談賜りますようお願い申し上げます。

敬具

                   《7月号、終了》

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