2023年5月のヤンゴン情報

2023.5.22 未分類

お得意様 各位

《2021年2月に勃発した軍事クーデター以降、ミャンマー情勢をお気にかけられている方々より

ミャンマーの現況のお問合せを頂いております。ヤンゴン駐在社員からのレポートを基に、2ヵ月

毎に報告をさせて頂いています。お時間がございましたら、お読み下さいませ》

 

『ミャンマー・ヤンゴン情報‐5月号』

 

 

 ミャンマーは4月17日に2023年の元旦を迎えました。その4日前の4月13日から17日迄が『水祭り・

ティジャン』で国民休日になっています。水祭りは、旧年の汚れ(嫌な事)を洗い流し、清い体と心で新年を迎えたいとの思いで、互いに水を掛け合うお祭りです。4月中旬は最も暑い時期ですので、ずぶ濡れになり

洗い清めます。皆んなが、楽しむお祭りです。

 私が(大成建設)駐在していた時は、大型トラックに水槽を積み、電動ポンプで水かけをしながらお菓子袋を配って練り歩き、日本企業への歓心を高める工夫をしたものでした。

2018年迄は年末年始の休みは2週間でしたが、長期休業は漸く定着し始めた資本主義経済を停滞させるとの懸念と、休みボケで事故やケガが多発している事等を考慮し、年末休みは4日間、正月休みは2日間と決められました。

 

1:一般状況

  

 ミャンマー国内情勢は悪化,混迷の一途をたどっています。西北部のバングラディシュ国境際のチン州や

東南部タイ国境際のカヤ・カイン州では民主派武装組織「国民防衛隊(PDF)」と「少数民族武装勢力」の

合併軍と国軍の紛争が激化しています。まさに、内戦状態です。 地上戦では国軍が劣勢のようです。国軍は戦況を挽回する為、空爆を行い、戦いに関係のない多くの住民が犠牲になり、難民になっています。

 ASEAN首脳会議がインドネシアで5月10日から開催されます。国軍が劣勢とみられている戦況を踏まえ

以前、国軍と合意した「暴力停止など5項目」の履行を迫る事が出来るか? ASEAN首脳会議の成行きが

期待されます。和平交渉に発展する事を期待したいのですが?

 

 ミャンマーはビルマ族が7割を占めます。残る3割に135の部族がいる多民族国家ですので国家統一は

非常に難しいと思いますが、多くは敬虔な仏教徒で穏やかで他人を思いやる人々です。

 庭には果実がたわわに実り、米は2期・3期作で多量に収穫出来る、世界でもトップクラスの農業大国です。早く平穏な日常を取り戻せるよう協力したいと思っています。

 

 2019年4月28日に大成建設により着工された心臓・脳専門の『ヤンゴン新病院』(設計:山下設計)は

JICAが無償資金協力89億円(医療器材を含む総事業費121億円)を援助する高度先端医療施設です。

 コロナ禍と軍事クーデターにより、2021年2月以降、中断されていましたが、国軍政府の強い要請により工事再開を視野に、4月初旬に大成建設社員が乗り込み、関係機関と協議・調整を行っています。

 環境整備・調整がスムーズに出来れば,2024年春季に工事再開の運びになるのでは?と思われます。

 

 盛夏になる3月中旬から停電時間が多くなりました。4月中旬迄は、4時間毎に給電と停電を繰り返して

いたヤンゴン市内も、停電時間が多くなっています。ヤンゴン郊外では一日2~3時間しか、電気の供給が

無いところが多くなっています。

 弊社契約企業のヤンゴン工場は大型ジィーゼル発電機が設置されていますので、生産活動には影響され

ませんが燃料費が嵩むと嘆いています。

 

 ヤンゴン市内では太陽光発電装置を設置する一般住宅が増えています。オフィスや店舗ではジィ-ゼル

発電機を設置していましたが、燃料の入手が難しく、価格も高騰する等、問題が多く、太陽光発電装置に

切り替える傾向になっています。一年を通じ日差しが強いミャンマーには、環境に優しく、経済的な太陽光

発電装置が良いのかも知れません。

 

 添付の写真は自家発電装置をお持ちの篤志家が電気を必要な人々に電源を提供している様子です。

『無料です。電気をご利用下さい』と記載されています。*この志がミャンマー人なのです。

 

2:物 価

 

 4月末の為替レートは、2,850~2,890チャット/us$(0.048円/チャット≂208チャット/円)でした。2月末とほぼ同じです。ガソリンはやや高くなり3,250チャット/リッター(156円/リッター)です。

 消費物価の上昇が止みません。お米・食糧油・玉ねぎ・ポテト等の値上がりが目立っています。

水祭り前のお米の値段は50㎏当り100,000チャット(95円/㎏)でしたが、水祭り後には120,000チャット円/㎏,

(115円/㎏)になり、食用油も11,000チャット/1,600gであったのが14,000チャット(420円/㎏)になりました

 多くの食材が12%~18%、値上がりし、更に生活が難しくなっています。

 

3:トピックス

 

 ミャンマーは天然ガスを中心に天然資源が豊富です。蛍石、マンガン、錫、タングステン、アンチモン、貴石(ルビー)、翡翠、レアアースが生産されています。

電気自動車や風力発電装置、ミサイル防衛システム等、ハイテク分野で幅広くレアアースは欠かせません。

 

 中国はこのレアアースの最大生産国として、経済外交の大きな武器にしています。

しかし、これ等の多くの原産国はミャンマーなのです。2020年の中国の輸入データーでは錫が93%、レア

アースの輸入量の84%がミャンマー産になっていますが、実態はこれ以上にミャンマーに依存していると

思われます。

 ミャンマーの鉱山法・鉱業法の整備は不十分で行政部門は未整備です。現地生産は大規模な専門機材で採掘をするのではなく、小規模な事業者が濃縮や選鉱に必要なスキルや技術もなく、人海戦術で生産している現場が殆どです。採掘してもインフラが脆弱な為、他国に運び出すことも出来ません。

 このような現地事情を踏まえ、中国企業が現地業者に採掘資金や機材を貸与し、レアアースや貴重な鉱物・

鉱石資源を安値で中国に持ち込んでいます。

 

 軍事クーデター以降、コロナ禍の渦中で有っても、中国への各鉱石の輸出は大幅に伸びており、軍政府の

国庫を支えているのです。一方、レアアースの産地の多くは軍政府と交戦状態にある武装少数民族が支配する地域ですが、中国は双方を支援し、採掘されたレアアースを購入し、戦闘資金を提供しているのです。

『死の商人』の構図が浮かび上がります。

 

 5月2日に中国の秦剛外相は首都ネピードで軍政トップのミンアウンフライ総司令官と会談し

中国は『ミャンマーが国情に合った独自の発展の道を模索する事を支持する』と表明し、関係者が憲法と法律の枠組みの下で相違点に適切に対処し、国民的和解を目指す事を支持すると述べました。和平プロセスに関与するのでは?と危惧されます。

 更に、中国・ミャンマー経済回廊に関連する投資を加速し、農業・教育・医療、に関するプロジェクトを

早期に実施し、ミャンマーの貧困と難民の一掃に努めたいと述べ、ミャンマーを横断してアンダマン海に進出する道の早期完成を目指すと宣言しました。

 中国・昆明市からミャンマーを横断してアンダマン海に出る通路は戦略的にも経済的にも中国に多大な利益

をもたらします。この高速道路と鉄道建設プロジェクトは世界が注目しています。既に原油・天然ガスの輸送パイプは敷設完了しています。

 

 ミャンマーと古くから親交が深く良い関係であった日本が、経済支援・天然資源開発支援・武器供与等で

後れを取り、天然資源と農産物を中国とロシアに持ち出されるのを見るのは、非常に悲しく、残念です。

 

 

4:業務報告

 

3月に発注した下記製品は、5月下旬にヤンゴン工場で製品検査を行い、6月初旬に船積みし、6月下旬に、弊社倉庫がある名古屋に入港する予定です。

 

 

5:トピックス

 

1:文教施設用木下地用フローリング   T12×W120(3J)×L1,820mm       420㎡

2:美術館用スラブ直貼り用フローリング T15(12+3)×W90(3J)×L1,820mm     250㎡

3:厩舎増築用木下地用フローリング   T15×W90×L1,820mm UNI,         500㎡

4:戸建住宅用木下地用フローリング   T15×W90×L909mm OPC, 床暖房適合    200㎡

5:戸建住宅用木下地用フローリング   T15×W90×L1,820mm OPC,        250㎡

 

 

1)風景工場生産

2)工場生産風景

製品検査風景

集成部材精度チェック

ヘリンボーン材仮貼り精度チェック

《ミャンマー(ヤンゴン)情報、5月,終わり》

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