お得意様 各位
『ミャンマー・ヤンゴン情報』
2023年2月1日でクーデターから丸2年になりました。ヤンゴン市内は活気が戻ってきたように見えますが夜間の一人歩きは出来なくなり、治安の悪化が甚だしく、経済は低迷し、打開策が見えなく、一般市民は覇気が出ない日々との事です。 以下、ヤンゴン在住の契約社員のレポートを整理してお伝え致します。
1:環境
1990年代、ミャンマー・タイ・ラオスの国境地帯は『ゴールデン・トライアングル』と呼ばれる世界最大
の麻薬密造地帯でした。2010年の民政化以降、日本のNGOの働きもありケシ栽培に替えて、お茶やコーヒー
の栽培に転作する流れが出来つつありました。しかし、クーデター以降は軍政府の迫害により、少数民族の
生活が困窮し、それに、コロナ禍が追い打ちをかけた事により、少数民族は現金収入を得る手段として、ケシ栽培生活に戻りました。栽培面積は、2022年6月には2019年の5割増の4万4千ヘクタール以上になって
います。(最も多く栽培された2014年の6万3千ヘクタールの70%になります)
又、軍政府は反政府活動をする若者を抑え込む為、意図的に麻薬売買の取締りを緩め、夜間外出禁止令が
出ているのに、徹夜で営業しているクラブ(風俗営業)を取り締まらず放置しています。その為、若者が麻薬
に手を出し、都市部に蔓延するようになったと言われています。
ヤンゴン市内の治安悪化と共にHIVの感染者が急増し、全国の45%を占めています。感染者が多く、治療薬が入手できない状況との事です。微笑みのヤンゴンが恐怖の都市になっています。
先日、軍政府が非常事態宣言を6ヵ月間延長すると発表しました。8月に予定されていた総選挙も延長される公算が高くなりました。
2:経済
為替レートは実勢レート(闇レート)2,850~2,880チャット/us$(0.067円/チャット)、公式レートは2,100チャット/us$
です。現地契約企業は輸出で得たus$の60%は公式レートで現地通貨チャットに強制両替義務があります。
弊社は購入代金を契約企業のシンガポール銀行の口座に送金しています。その後の処理はアンタッチャブル
ガソリン価格は2,195チャット/リッター(147円/リッター)になっています。かなり下がりましたが一般市民は
自家用車に乗れない価格です。
3:日常生活
昨年の年末からパスポート申請を中断していましたが、2月24日に、オンラインブッキングシステムで
再開しました。申請者が数万人と多く、大変混雑しています。
盛夏になり、停電時間が多くなりました。ヤンゴンタウンの16タウンシップは2つのグループに分けて
4時間毎シフト停電していますが、最近は1日に4時間しか通電されない事もあります。
テレビ・インターネット・電話は何れも問題なく利用出来ますが停電が多くては見る事が出来ません。
ヤンゴン市内のショッピングセンターやレストランの殆どは9時~21時まで営業しています。チャット
安で輸入材は高価になっていますが、品物は豊富にあります。
ミャンマーの1日のコロナ新規感染者は1~3人です。3月5日は一人でした。死者は70日ゼロです。
市内ではマスク着用者が減少していますが、日系ではマスク着用を義務付けている企業が多いようです。
減便運行されていたヤンゴン市内バスはコロナの感染拡大が落ち着きだした2022年2月頃から元の
運行体制に戻りましたが、燃料費の高騰の影響でバス料金は2021年の2倍以上になっています。
4:国際航空便
2022年4月17日に国際線旅客機の着陸禁止措置は解除されました。日本へは全日空直行便が毎日、
バンコク経由で就航しています。
その他、ヤンゴン便は台北経由・シンガポール経由・マレーシア経由・中国経由等多数路線があります。
5:トピックス
※日本政府は、3月1日に、ミャンマー(連邦共和国)に対して総額25.5億円の無償資金協力を実施する事を発表しました。
長期化する紛争下で厳しい環境に置かれた国内避難民に対する人道支援が目的です。保険医療の充実・
水・衛生環境の改善・社会アクセス改善等を図る為の支援ですが、毎日のごとく増える国内難民の為に
有効活用される事を願っています。
※ヤンゴンの5つ星ホテル『セドナ・ホテル・ヤンゴン』が中国系企業に売却されます。
1996年9月にオープンし、2015年に新館を開業したヤンゴン中心地の高級ホテルです。
私は1996年に出張した折、開業したばかりのセドナホテルに宿泊して以降、来緬時の定宿であった
ホテルです。
シンガポール企業から中国企業に5,740万us$(約78億円)で売却すると発表されました。
※ヤンゴン新病院再開の兆し、(総事業費121億円‐JICA無償資金協力86億円)
2019年4月に着工し、2021年に完成予定であったが、コロナ禍や国軍クーデターの影響で工事中断されていましたが、軍政府の強い要請もありコロナの感染状況が治まりつつある事もあり、請負業者(大成建設)は、再開を視野に、調査隊を4月後半に乗り込ませる方針を固めたようです。
※ミャンマーの正月と水かけ祭り
ミャンマーの新年元日は4月17日です。国民休日は水かけ祭りが始まる4月13日から19日迄の
7連休です。1年で最も暑い時期ですので、一般市民は4月初旬から4月下旬まで夏休みを取り、田舎に
帰省し、先祖のお墓参り等をします。日本のお盆休みのようです。
その為、4月の工場生産性は上がらず。発注する際はこの期間を納期に加算しなくてはなりません。
水かけ祭り(ティンジャン)は1年の不幸や汚れを洗い流し、綺麗になって新年を迎える行事と言われています。ミャンマーで最も賑やかな祭りですが、コロナの影響で2020年以降、自粛されています。
今年も非常事態宣言が出ていますので、家族・友人でささやかに、水を掛け合い、不幸を洗い流し
良き新年になるよう祈念します。
3月のミャンマー(ヤンゴン情報)終わり
『製品発注と輸入について』
弊社は現地契約企業と6ヵ月毎に『Sale & Purchase Price List』を締結しています。
4月には、昨年10月から今年3月迄として締結した価格を改定しなくてはなりません。
契約企業からは原木の政府払下価格が18%値上がると通達が出ているので製品価格も準じて値上げ
して欲しいと要請されています。日本の市場状況や円安による輸入原価の値上がりを理由にして値上げ
幅を出来るだけ小さくしてくれるよう折衝中ですが、10%程度の値上げは認めなくてはならないので
しょうか?
今後、ご使用頂く予定製品を、値上げ前に、纏めて3月に発注しました。何れも、ご使用予定は8月
以降ですが、原木の値上げ前に発注し、弊社、倉庫に保管し、コストセーブを図りました。
【3月発注製品】5月末ヤンゴン出港・6月20日、名古屋港入港・6月25日、倉庫・塗装工場搬入。
1:文教施設用:徳用・エコ製品 T12×W120(3J)×L1,820mm・集成材 420㎡
2:美術館用: 徳用・エコ製品 T15(12+3)×W90(3J)×L1,820mm・集成スラブ直貼り、220㎡
3:商用施設: T15×W90×L1,820mm・UNI材 500㎡
4:戸建注文住宅: T15×W90×L1,820mm・OPC材・床暖房仕様 450㎡
【最後に呟き】
日本複合・防音床工業会は2022年の複合フロアの生産量は1,954万3,400坪(前年比1.4%減)と
発表し、特殊加工化粧材(シートフロア)の比率が75%に達したと報じています。
軽くて、見映えが良いシートフロアですが、温暖化や環境保全には逆行する製品ではないでしょうか?
温湿度調整機能が有り、温暖化制御効果があり、耐久性・防虫性に優れ、地震時には、防振効果が得られる
無垢フローリングに目を向けて頂けば幸いと思っています。
以上