お得意様
企画・設計ご担当者 様
謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
年末にチーク無垢フローリングとピンカドデッキ材をご使用頂いている施主と設計者様が現地企業の
ヤンゴン工場を見学したいと申されましたので現地に同行致しました。
コロナ禍で訪問する事が出来ませんでしたので5年ぶりでした。ヤンゴンの実情をレポートします。
2021年2月に勃発した軍事クーデター以降、ミャンマー情勢をお気にかけられておられる方々より
ミャンマーの現況のお問合せを頂いております。ヤンゴン在住の契約社員(本社に6年間勤務の元社員)が
2ヵ月毎に『ミャンマー(ヤンゴン)情報』を報告してくれており、その報告を抜粋整理してご紹介
申し上げていますが、今回は私が現地に出向きましたので、肌で感じた生情報をご報告申し上げます。
『ミャンマー(ヤンゴン)情報・正月報』
ミャンマーは初夏の心地良い気候でした。市内の人出は以前と大きな変わりは無いように見えました。
強いて言えば若者が少ないように思えました。国軍クーデターから2月で4年になります。
1月4日の独立記念日に恩赦で5,864人の受刑者が釈放されました。その中にはいわれなき罪で服役して
いた民主活動家等の政治犯も含まれています。又、外国人も180名含まれており、釈放後、国外退去処分に
なりました。国軍は少数民族武装勢力や民主派との戦闘が泥沼化する中、2025年内の総選挙の実施を目論
んでいます。
独立記念日の式典で『民主主義制度を確立する為に公正な総選挙を実施し、勝利した政党に権限を委譲
する』と強調していました。
少数民族との戦闘で劣勢である国軍のミン・アウン・フライン最高司令官は中国との接近を強めており、
中国の影響力が益々強まっています。中国が停戦を仲介する動きも出ています。
アジアの最後のフロンティアも中国に席巻されるのか?と思うと残念・無念で堪りませんが、平和が得ら
れるので有れば、喜ばしい事です。
≪徴兵制度と技能研修制度≫
国軍は2024年2月10日に18歳以上の男女を対象に『兵役の義務を課す徴兵制』を実施すると発表し
ました。その後、女性は対象外にすると発表しましたが、若者の間には反発と動揺が広がっています。
若者の間では徴兵を逃れようと他国に出国するケースが相次いでいます。隣国タイの大使館には長期滞在
ビザを求める人々が殺到し、死亡者も出ています。その中の一人は『自分の家族も友人も民主派です。国軍
に加わり、民主派勢力軍に銃を向ける事は出来ない』と話していました。多くの人々の気持ちと思います。
今回訪問した契約企業『M・T・I』は2022年末には、300人の従業員が居ましたが、今は100余人に
なっています。工場長は経済制裁により、欧州各国と米国に木材(フローリング・ベニヤ原板・角材等)が
輸出出来なくなった為、生産調整をする必要が生じ、止む無く人員カットをしたと話していました。
工場長から木工機械を扱える従業員、男女4人が日本に『技能実習生』として行きたいと望んでいるが検討
して貰えないか?と要請が有りました。既に基礎的な日本語の勉強は進めてるとの事です。
私はゼネコン在職時に2年間教育指導した現地要員を工事中断で解雇するのは勿体ないと考えました。
これ等の多くは政府高官の子女である事から、将来の還元を期待し、日本に招請して教育する事を考えました。
労働省のサポートが得られましたので、ミャンマーの若人を年間10人招請し、協力企業の職場に3~4人づづ
配置し、技能研修を10年間実施し、大きな成果を得た経験が有りますが、現在の制度を理解していないので、
関係者と協議した上で連絡すると答えるのみに留めました。出入国時に多額の手数料を搾取する人材派遣
ブローカーが暗躍している等、ネガティブな話も聞いていますので、よく調べてみたいと思っています。
〈不穏な話を耳にしました〉
ミャンマー各地で若者が拉致される事件が散発しているとの事です。
国軍関係者が拉致して戦場に送り込んでいるらしいとの事です、定かでは有りませんが!
≪日本の支援工事の現状≫
契約企業の工場に行く際に、2024年6月8日に完工式を迎えた『バゴー橋』を通過ましたが、この橋が
完成した事でどれだけ多くの人々が喜んでいるでしょうか?ヤンゴン市内からタンリン市内の工業団地に
行くには、なくてはならない橋です。現地下請け企業が国軍企業であると国会で揉めていたようでしたが、
ティラワ経済特区行くにも通らねばならい橋です。完成してよかったと思いました。
ヤンゴン市内のODA案件ー2工事
①日本ミャンマーアウンサン職業訓練学校整備工事ー鴻池組施工
2025年4月開校に向けて仕上げ工事の最中でした。自動車整備や電気機器関連整備の訓練生が各200人
入学する予定です。
職業訓練学校整備工事
②ヤンゴン新専門病院建設工事ー大成建設施工
2027年3月の竣工に向け躯体工事中(2024年10月工事再開)作業員は500余人で鋭意施工している。
作業員は現在の倍の人数が必要であるが集める事が難しいと関係者は嘆いていました。
此れも紛争の影響でしょうか?
ヤンゴン新専門病院建設工事
《ちょっと、ブレイク》
12月21日、今朝はホテルを7時に出発しヤンゴン市内の建築工事案件を見て回りました、民間案件は
未だ中断の状態でした。先に記載したODA案件2件が再開していました。早朝から駆けずっていました
ので、同行して頂いている方に無理を言ってウナギを食べさせる店を探して頂きました。
以前来た時、ヤンゴンニュース紙に掲載されていた『うなぎ屋』が、脂がのった美味しい蒲焼きを食べさせてくれたので、
探して貰いましたが見つかりませんでした。コロナ禍で店じまいしたのでしょう。
紹介してもらった日本食レストランに行き、蒲焼きを注文しましたが、期待した味に出会う事は出来ません
でした。価格は蒲焼きが32,000チャット(1,250円)うな丼18,000チャット(700円)とリーナズブルでした。
その後、帰国フライト迄時間が有ったので、駐在している日本人がゴルフ帰りに行くと言うマッサージ店
を紹介頂き出向きました。土曜日の午後2時でしたがゴルフ帰りの方々で繁盛していました。2時間コースの
タイ式マッサージを頼みました。首や肩が凝っていたのですがスッキリしました。背中をマッサージする際
は悲鳴を上げる程痛かったのですが、今迄で最高と思われるマッサージでした。36,000チャット(1,400円)
ヤンゴン工場に於いて昼食会
ヤンゴン市内の諸物価
≪為 替≫
ミャンマー中央銀行は2,100チャット/us$で両替していましたが、今回、市内観光を依頼したエージェントは
4,000チャット/us$で、両替してくれました。155円/us$とすれば1チャットは0.039円になります。
≪停 電≫
滞在中,午後7時頃に停電になりました。ホテルですから非常用発電機が作動し、20秒以内に復旧しました
ので、どの程度の時間停電していたか判りませんでしたが、毎夜1回は停電しました。此れから夏になると
頻繁に停電するようになるとホテルの従業員の話です。
≪ガソリン価格≫
昨年末のレギュラーガソリンの単価は2,640チャット/リッターでした。現在は2,985チャット/リッター(116.5円/リッター)
になっています。昨年末の単価より3円程度の値上がりです。因みにハイオク(95)は3,095チャットです。
≪主食ー米の価格≫
高品質の米は120,000~150,000チャット/50㎏(5,000円前後/50㎏=1,000円/10kg)です。
日本のブランド米は8,000円/10kgですから8分の1の価格です。廉価な米は80,000チャット/50kgで
購入出来ます。
≪食用油≫
一般家庭では豆(ピーナッツ)油を使用します。1ビス/1.8リッターが18,500チャット(400円/リッター)です。
業務用には主にパーム油が使われます。1ビス/1.8リッターが8,000チャット前後(170円/リッター)になります。
日本の家庭で使用する食用油は400円/リッター~500円/リッター程度の様です。
≪鶏 卵≫
サイズによって値段が異なるがMサイズでは、4,000チャット/10個です(15.6円/個)。
国内のスーパーマーケットでは250円/10個(25円/個)程度です。
≪市内バス料金≫
初乗り運賃は300~400チャット(16円前後)となっています。
≪カシューナッツ≫
輸出され始め、人気が出ているカシューナッツの袋詰め(500g)38,000チャット(1,500円程度)でした。
※日本の価格と比較すると多くの食材は安いのですが、収入が10~15分の1程度ですから家族全員で
働かないと生活出来ません。月給(一般的な作業員=400,000チャット、課長級管理職=1,000,000チャット)
『業務報告・現地企業の製品発表』
≪チーク原木貯木状況≫
木材公社(MTE) より特別な許可を頂き、ヤンゴン近郊に5ヵ所有ると言われている貯木場の一つを視察
しました。それは、縦横に切削・造成されているヤンゴン川の運河沿いに有りました。
1辺が500mの十字型の貯木場に著しい原木が貯木されていました。関係者は『従来は運河を埋め尽くすよう
に浮かんでいた原木が、今は全く有りません。天然資源環境保全省が国連機関の勧告を遵守する為に実施した
伐採制限の影響と思いますと語っていました。現地契約企業の社長は船積み迄の期間を70日取って頂ければ
殆どの要求にはお応え出来ますと申していました。
≪ヤンゴン工場のPR≫
ヤンゴン工場では経済制裁で欧州各国や米国に木材製品が輸出出来なくなり、余裕が出来た工場で
チーク無垢ドアの製作を始めていました。自社で開発建設中のホテルの内装材に使用したそうです。
製作図面を頂ければどのような形状の製品も製作可能と申しています。添付写真は同価格との事です。
ミャンマーチーク無垢ドア・継ぎ無し一枚材
サイズ:高さ7フィート(213.36㎝)×幅3フィート(91.44㎝)弊社倉庫渡し(無塗装)105,000円/pc
(ウレタンクリア塗装製品=140,000円/pc)
※ご興味をお持ちの方は弊社にご連絡いただければアレンジ致します。