2024年1月のヤンゴン情報

2024.1.22 未分類

お得意様 各位


謹んで新春のお慶びを申し上げます。本年もご厚誼を賜りますようお願い申し上げます。
又、『能登半島地震』の被災者様に衷心よりお見舞い申し上げます。  
  《2021年2月に勃発した軍事クーデター以降、ミャンマー情勢をお気にかけられておられる方々より
   現況のお問合せを頂いております。ヤンゴン在住の契約社員(本社に6年間勤務の元社員)が2ヵ月毎に
   『ミャンマー(ヤンゴン)情報』を報告してくれます。1月早々に届きました報告を抜粋整理して
   ご紹介申し上げます。ご高覧賜りますれば、幸甚に存じます。


『ミヤンマー(ヤンゴン)情報・1月』
  ミャンマーは初夏の心地良い気候になりました。農作物や果物も実りの時期を迎え、人々は華やいだ気分
  ですが、ヤンゴン市内でも爆発事件が発生しており、治安に暗雲が立ち込め始め不安です。
  中国・タイ国境近くの民主派勢力と国軍の紛争が中国の仲介で停戦協定が結ばれる模様です。
   これを契機に全面的な和平交渉に進展する事を祈っています。


【ミャンマーの現況】
≪戦 況≫
   2021年2月1日の国軍によるクーデター以降、国軍と民主派勢力とそれを支援する少数民族武装勢力
   が激しい攻防を続けています。10月27日に東部のシャン州や西部のラカイン州で民主派勢力と少数
   民族武装勢力が一斉蜂起し攻撃を仕掛けました。《1027作戦》と呼ばれ、抵抗勢力側が優勢となって
   おり、国軍の兵士の投降が相次ぐ異例の事態になっています。
   投降した国軍の将校はトップのミン・アウン・フライン司令官を信奉する者も少なくなっており、
   指導力を信じる者も少なくなり、軍内部の統制が乱れ士気が低下している状況が明らかであると述べて
   います。又、これまで、軍に多くの兵士を供給していた地域を、軍が統治出来なくなり戦闘が激しい
   地域に兵士を送る事が出来ず、ローテーションも出来なくなっており、兵士の不足が更に士気の低下の
   一因になっていると申しています。
   これ等の戦闘地域は山岳地帯や自然環境の厳しい地域ですので、ゲリラ活動が有効ですが、平野部での
   戦闘ではゲリラ活動が難しくなり、火力に勝る国軍が巻き返す公算が高く、軍事的な手段のみでは、
   事態の進展は無いと思われます。そこで、外交・政治的な解決方法を見つける必要が有ります。
   世界各国の中で、ミャンマーに最も多額の経済援助をしている日本がASEAN諸国の先頭に立ち
   『民主的な平和国家』の樹立の大役を果たすべきですが!期待したいですね‼


《速報》
   1)政府は1月4日の独立記念日に全国の刑務所に収監されている囚人を9,766人(内外国人114名)
     解放しました。クーデター後政治犯としてとらえられた人が56人が入っています。前政権時で
     評判の良かったマンダレー前市長のDr.Ye Lwin氏が含まれている事に多くの国民は喜んでいます。
   2)ギャンブルの都として有名な中国国境のロッカイン市とその周辺を総括支配していた国軍が
     民主派勢力と少数民族武装組織(MNDAA)に降伏しました。その人数は軍人が2,123人と家族
     1,601人の総勢3,724人でした。MNDAAは降伏者に何らペナルティーを課せず、希望する地域に
     送り届ける手配をしています。


 ≪日本の対抗処置≫
   日本政府は2015年以降、自衛隊で外国籍の軍人の教育・訓練をする事を認めています。
   ミャンマー国軍からも2016年から毎年、士官や士官候補生を受け入れてきました。2021年の
   クーデター後も、2021年2名・2022年2名の士官候補生を受け入れ自衛隊施設で訓練・教育を
   実施していましたが、日本で教育を受けた士官が各地の戦闘の司令部に配属され、市民虐殺に関与して
   いる事が判明しましたので、2023年度からミャンマー国軍からは受け入れない事に致しました。


 ≪燃料・物資の不足≫
   軍政府のドル保有額が少なくなり、燃料輸入業者が中央銀行からドルを引き出せなくなった為、決済が
   出来なくなり、一時期、燃料タンカーがヤンゴン港周辺の海上に滞留し輸出入業務の支障になりました。
   市内のガソリンステーションにも、決済が出来ない為、補給できないタンクローリーが長い列を作って
   います。国軍と民主派勢力との紛争地域である中国国境(ムセ)やタイ国境(ミャワディ)の国境貿易
   が閉鎖され、輸入物資が入らなくなり、輸入材の価格が大幅に値上がりしています。
   特に医薬品が不足しております。


 ≪為 替≫
   ミャンマー中央銀行は2,100チャット/us$で両替していましたが、12月5日にus$が不足したとして、
   チャットをus$に両替するのを中止しました。その為、燃料輸入業者は支払いが出来なくなり、
   添付写真ように、1000台以上のタンクローリーの行列が出来ました。しかし市中の両替業者が政府に
   制約されず、実勢為替で自由に両替出来るようになりましたので、徐々に解消しています。
    ※12月20日現在の両替為替は3,400~3,500チャット/us$(≒0.042円/チャット)です。


 ≪ガソリン価格≫
   11月末に2,300チャット/リッターでしたが、12月1日には2,640チャット/リッターに急騰しました。
   現在は2,720チャット/リッター(約114円/リッター)になっています。


 ≪停 電≫
   今、ミャンマーは初夏です。既に計画停電が実施されています。ヤンゴン市内は朝5時から9時迄と
   午前9時から13時、13時から17時、17時から21時と4区域に分けられ、1日に2回の計画停電です。
   盛夏となる3月中旬からは停電時間が更に伸びます。


 ≪物価高騰≫ 
   ミャンマーと中国の陸路の主要貿易入口である『ムセ国境貿易区』とタイ国との国境にある『ミヤワディ
   国境貿易区』が紛争の影響で機能停止状態である為、流通が停滞し、国内の物価の高騰原因になって
   います。『ムセ国境貿易区』は中国の仲介で紛争が停戦する事になった為、近く再開される見込みです。
   再開されれば中国製品が輸入されますので、薬の品薄も少しは改善されると期待しています。
   中央統計局は2022年4月1日から2023年3月末迄のインフレ率は 27.5% と発表しました。


 ≪バゴー橋完成≫
   日本の無償援助(ODA)で建設していたヤンゴン市内とタンリン市を結ぶ橋であるバゴ―橋が完成し
   12月17日に式典が行われました。日本が開発中のティラワ工業団地が完成すると交通量が大幅に
   増加するのでチィラワ工業団地の利便性を高める為に日本がODA支援で建設しました。

 

 

 


 ≪市街地で紛争の気配≫
   民主派勢力と国軍の紛争が都市部にも徐々に迫ってくる気配です。
   ヤンゴン市内でも12月中旬には数回の爆発音が聞こえました。12月13日には、抗議活動を企てた
   若者が2名射殺され、2名が逮捕されました。
   報道されるのは一部です。毎日、全国では、多くの一般市民が犠牲になっていると思われます。


 ≪希 望≫
   従来のミャンマーの若者が最も行きたい国は日本でしたが、数年前から中国が最も望む国になって
   いました。然し、急激な中国経済の凋落により、今は韓国が若者の一番行きたい(稼ぎに)国に
   なっています。
   しかし、ミャンマーの若者は、本当は、日本に行きたいのです。技能研修制度が見直され、受け入れ
   企業の意識や待遇が改善される事を願っている若者が多くいます。受け入れ側は安心して働ける環境
   整備に努めなくてはならないと思います。
   ※弊社も微力ですが協力したいと思っています。


『業務報告・次船発注予定製品』
  【11月・12月に施工した主要案件】
   1:T医療学院本校舎新築工事
     ミャンマーチーク無垢防音フローリング  T(10+2)×W120(3J)×L1,820mm・ガラスコート塗装
   2:西新宿マンション新築工事
     ミャンマーチーク無垢直貼り防音フローリング T(10+2)×W76(2J)×L909mm・ウレタン塗装
   3:宮城県Y漁港朝市デッキテラス工事
     ミャンマーピンカドデッキ材    T20×W90×L1,820mm・無塗装

 

 


『次船発注予定製品』※予定案件の多くが、諸建築資材の高騰により予算超過となり設計の見直し等を行い
           ましたので、着工が遅れました。11月発注を延期し、2月初旬の発注にしました。
        1:T15×W90×L909mm・OPC・床暖房適合製品    220㎡
        2:T15×W90×L1,820mm・OPC・床暖房適合製品   130㎡
        3:T15×W120×L909mm・OPC           230㎡
        4:T15×W90×L1,820mm・UNI・床暖房適合製品    200㎡
         ※2月初旬に売買契約致します.それ迄に『リクエスト』がございましたらご連絡下さい。
          5月中旬に名古屋港に入港予定です。ご希望の塗装仕上げ後、納品させて頂きます。


                       『ミャンマー(ヤンゴン)情報、2024年1月』 以上

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